直火で炊く炊飯釜のススメ【HARIOフタがガラスのご飯釜レビュー】

コラム

ほとんどの家庭にある家電の一つに自動炊飯器が挙げられます。スイッチを押すだけで簡単に米が炊け、いつでも暖かいお米が食べられるよう保温機能を備えています。

日本人にとって米は重要な主食であり、米の炊け具合に対して並々ならぬこだわりがあります。またかつては、かまどでの炊飯が手間と労力を要する作業であったことから、炊飯の自動化の需要は高く、家電メーカーも開発・改良を重ね続け今日まで発展してきました。

筆者*Yachi
筆者*Yachi

そんな便利な家電ではありますが、僕は思うところもあり、数年前からは直火の炊飯釜でご飯を炊いています。この記事を読んで共感できたら、思い切って炊飯器をやめてみませんか?

普段夕食作りを担当している僕が、厳選した直火炊飯釜を紹介します。

自動炊飯器の嫌なところ

炊飯器を使ううえで、どうしても納得いかない点があります。家事の時短を求めて使うのにかえって手間がかかる部分や、機能上の問題です。

水洗いしたい部分が外して洗えない

調理家電全般で言えることですが、全ての部分を水洗いできません。

手入れに関しては、多くの人が悩むところで、Googleで検索するとこれだけ出てきます。

Google イメージ検索

まだ、蓋とか釜は外して水洗いができるのですが、炊飯器のふちや蓋の裏に関しては拭くことしか出来ません。

パナソニック社HP【ジャー炊飯器】お手入れについて

お米の煮汁はとろとろとしたノリ状なので、キッチンペーパーやダスターで拭ってもあまり綺麗に落ちた感じがしませんし、蒸気口など入り組んだ部分は手入れのしようがないので、もはや目を瞑るしかありません。*画像はパナソニック社ホームページの引用ですが、パナソニック製品自体は良いものです。

米自体は、菌の培地の原料になるくらいなので、雑菌を繁殖させず衛生的に使うためには、本来マメな手入れが必要です。見えないところでカビが生えていたりしたら…。そう考えると神経質なくらい掃除をしてしまいます。

わに
わに

炊飯器のお手入れも、意外と知らない人いますよね。

炊飯器の蓋も雑菌の温床になりやすいので、本来は毎回洗う必要があります。

筆者
筆者

手間と労力を省くための炊飯器なのに、ある日『あれ?この掃除の手間と労力は一体?』と気付いてしまいました。

臭いが残ってしまう

炊飯器は家電なので、水漏れや濡れを防ぐためにパッキンを用いています。パッキンはシリコン製のものが多いのですが、シリコンは分子構造状、油脂を含むような臭い、色、汚れと相性が悪く、それらが沈着しやすい特性があります。

炊飯器の機能としては、白米を炊く以外にも、炊き込みご飯が炊けますが、一度炊き込みご飯を炊くと出汁の匂いがこびり付いてしまい、その後10回程度白米を炊く間は、“炊き込みご飯風白米”が出来てしまいます。

こざかな
こざかな

炊き込みご飯の匂いは、控えめな白米の香りに邪魔が入ってしまったような感覚を覚えます。

場所を取る

炊飯器の定位置は大体決まっており、キッチンカウンターやレンジ台の上に置いておくことが多いでしょうか。最近はバルミューダ社からおしゃれな炊飯器も出ていますが、もっさりしたデザインの炊飯器がほとんどで、目に見えるところに鎮座していると、生活感が漂ってきます。

ふぐ
ふぐ

おまけに、乾いたご飯粒が近くに落ちていたりすると、せっかく生活感の無い部屋にしても、それを打ち消してしまう存在感を炊飯器は放ちます。

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家電製品なので定期的に買い替える必要がある

電子制御を用いる家電は必ず、製品の寿命があります。また、寿命を迎えなくても性能や省エネ性の進歩がきっかけとなり、買い替えるケースも多くあります。

僕も、冷蔵庫、洗濯機、食洗機など、家事負担を多いに減らせる家電に関しては、性能の良いものにこだわって揃えましたが、炊飯器は前述のデメリットも相俟って、一概に家事効率が上がるとは言い切れません。

生活に必要なものであれば、惜しまず買い揃えた方が良いですが、電気を使わない炊飯釜を使えば、物理的に壊れない限り永く使えますし、お財布にも環境にも優しいです。

近年持続可能な開発目標(SDGs)17の項目の一つに、持続可能な消費と生産のパターンを確保する目標が掲げられました。

つい物欲に塗れて、企業のPRに購買意欲を突き動かされてしまうこともありますが、買い替えを必要としない物を使えば、そんな悪いサイクルから脱することができます。家電である必要のないものは、買わない方が心身の健康にもつながります。

何より炊飯釜の方が、味が良い

近年、炊飯器も加熱方式が、マイコンより能力の高いIHに主流が置き換わっていますが、美味しいお米が炊き上がる条件には強い火力が何より大事です。

炊飯器の場合、マイコンもIHも100Vの電源を用いますから、特性上急加熱が難しくあります。そもそも電気→熱に変換するのには、ロスが大きいため仕方がないことなのです。*家庭用ビルトインIHコンロやエアコンの場合は、強い出力を確保するため200Vのものが主流です。

炊飯釜を使うと、色々な炊き方を試してみたくなりますが、結局は沸騰させるまで強火で急加熱し、その後弱火でぐつぐつ煮るのが一番うまく炊けるという結果に落ち着きます。

炊飯器もその炊き方を再現しようとしますが、どうしても直火には劣ってしまいます。製品のキャッチコピーが『まるで直火』『土鍋で炊いたようなご飯』と謳っている時点で、直火の炊飯釜に近づきたいという、メーカの追求を表しているようです。

炊飯器のお米に慣れている人が、炊飯釜で強火でパッと炊いたお米を食べると、その味にびっくりします。実際、家に友人を招いて食事を振る舞うと、必ずと言って良いほどお米が美味しいと言ってくれます。『長野だからお米が美味しいんだね。』なんて言われますが、お米はスーパーで最も安いものを購入しています。あしからず。

たこ
たこ

まだお釜で炊いたご飯を食べたことがない人には、ツヤツヤでモチっとして、芯がなく透き通ったお米を是非一度味わって欲しいです。

また、炊飯器には保温機能が備わっていますが、保温した後の、黄色いパサっとしたお米はなおさら口にしたくなくなります。


炊飯釜にも良し悪しがある

筆者
筆者

実は、ご飯釜を使うことが定着するまでにも、紆余曲折がありました。はじめは、何気なく立ち寄ったホームセンターで、シンプルな土鍋型の炊飯釜を見つけたことがきっかけです。

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シンプルでいて割とどこでも売っているので、お釜ご飯のお試しにはすごく良いんですが、まあ蓋を割ってしまったりして何度か買い直すうちに、耐久性や使い勝手に改善を望むようになった結果、現在は別のものを使っています。

炊飯釜の手間について

炊飯釜でご飯を炊いていると話をすると、大抵炊飯釜の手間について聞かれます。

誤解しやすい部分ではありますが、炊き方を工夫すればカップラーメンを作る行為と何ら差異がない手間でお米を炊くことができます。

楽にお米を炊く条件に以下の項目が挙げられます。

  • お米を炊いている様子が見える。
  • 金属製かつフッ素加工がされていてこびりつかない。
  • 分解して楽に洗える。
  • 加熱時間がわかりやすい。
筆者
筆者

この4つは、何台も買い替えてきた中で絞った条件です。順に説明します。

お米を炊いている様子が見える。

お米を炊いている様子が見えると、炊き加減を調整する目安を測れます。直火炊きの場合心配なのが、焦げることと芯が残ることです。煮汁がある状態だとほぼ焦げる心配はないのですが、加熱時間が長すぎると、水分がなくなって焦げる場合があります。また、沸騰した頃合いで弱火に落とすのですが、芯を残さないために、お米がぐつぐつ煮えている状態をキープしたいところです。

中が見えるということは、それらの観察ができますので、割と重要なポイントだったりします。

金属製かつフッ素加工がされていてこびりつかない。

土鍋の場合、お米がすごくこびりつきます。また、焦げてしまった場合落とすのに手間がかかりますので、滑り加工がされた金属製のものが良いです。

あと土鍋は扱いが悪いとすぐ割れるので、金属の方がガシガシ使えます。日常で使うものなので、割れやすいものは避けたいところです。

分解して楽に洗える。

炊飯釜であれば、複雑な構造のものはあまりないと思いますが、スポンジの届かない奥まった穴があったり、手が入らないところがあるものは、炊飯機のデメリットと重なりますので、除外します。

加熱時間がわかりやすい。

先述の通り、炊飯釜は焦げと芯残りに注意を払う必要があるため、目安となる時間が分かると炊飯釜も扱いやすくなります。


どうにも欲張りな条件ですが、僕の知る限り、これらをクリアする製品が一つだけあります。

HARIO社製 フタがガラスのIH対応ご飯釜雪平

先ほどの、4つの条件を叶える炊飯釜は、『HARIO社製 フタがガラスのIH対応ご飯釜雪平』です。どういったものなのか説明します。

HARIO HP フタがガラスのIH対応ご飯釜雪平より

HARIO社について

HARIO社は、創業当初から耐熱ガラスの企画・製造・販売を行う日本で唯一、耐熱ガラス工場を保有したトップメーカーです。

コーヒーやお茶関連の器を多く製造しているため、手持ちのコーヒーサーバーなどが、もしかしたらHARIO製かも知れません。このご飯釜のガラスを不注意で落として割ってしまったことがありますが、ホームページの販売ページから、パーツ単体で簡単に購入できました。その体験から、メーカーの企業規模の大きさの大切さに気付きました。

デザインだけでもオンリーワン

筆者
筆者

製品のPRページを初めて見た時、あまりのデザインの良さに即購入を決めました。少々嵩張る大きさではありますが、機能美を有しており、むしろ飾って置けるくらいのデザインだと思っているのでサイズは気になりません。

煮込み料理にも

両手持ちで深さもちょうど良く、煮込み料理にも活躍します。

デザインもスタイリッシュなので、鍋敷きを敷いて、そのまま食卓にも出すことができます。大きいですが、レギュラーサイズの食洗機であれば、問題なく入ります。

機能について

大きな特徴として、ドーム状の蓋がガラス製であることが挙げられます。中がいつでも目視できるので、炊き加減の調整に一役担います。

さかな
さかな

ぐつぐつ踊るお米を見るのも楽しく、つい眺めてしまうこともあります。

主体が金属とガラスで、パーツも細かくして洗えるので、炊飯以外の用途に用いても臭い残りがほとんどありません。フッ素加工の金属なので、乾いたご飯でも水をかけてスポンジで撫でればするっと落ちます。

ガラスドームの天辺が取手になっていますが、この部分、ホイッスルになっています。沸騰して煮汁に粘りが出た頃合いで、ブクブクと泡立ってきますが、そのタイミングでホイッスル音が鳴ります。そこで火を緩めるか、落とせばあとは数分落ち着かせれば炊き上がるので、やかんでお湯を沸かす手間とそう変わりありません。

シリーズで2種類あるので注意

1点購入時に注意が必要なのが、このシリーズは2種類あります。

商品名【フタがガラスのご飯釜】土鍋 直火専用
商品名【フタがガラスのIH対応ご飯釜雪平】金属鍋 IH用

違いは鍋の部分です。IH対応のタイプは鍋の部分が金属で、スタンダードタイプが陶器になっています。またスタンダードは、1〜2合のものもあるので要注意です。通常は2〜3合を買う方が用途が増えるのでお勧めです。

陶器製でも汚れがこびりつきにくい材質ですが、臭い移りや耐久性を考えると、IHタイプのものをお勧めします。何より、槌目加工が施されたステンレスのデザインは、どんな料理にもマッチします。

価格差は、定価で2,200円の差なので、永く使うことを考えれば、コスト差は特に気にする必要もないのかなとは思います。多少スタンダードの方が、陶器のため蓄熱性が高いような気もしますので、その辺りを含めて比べてみてください。

HARIO フタがガラスのご飯釜 2~3合 直火用(IH不可)GNR-200-B
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最後に

商品紹介主体の記事は、当ブログと趣旨がずれるので書かないつもりでしたが、永く使っていて人に勧めたいものなので、今回書くに至りました。

当ブログのメインコンテンツはセルフビルドでして、初心者の人にも分かるようなやさしい内容で記事を書いています。セルフビルドってなに?という内容は、以下の記事で書いてますので、ご興味がありましたらぜひご覧ください。

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