本サイトはセルフビルド向けの内容ですが、間取り設計は工務店で新築をする人にも是非知ってほしい内容です。
この記事でわかること
- プランニングは何から始めたらよいか。
- 間取りを決める条件とは何か。
- プランニングに使う道具で必要なもの。何を用意すればよいか。
- なくてもいいけどあると便利なもの。
プランニングの順序を考える。土地から?家から?
通常は、建築地の条件が決まってから家の作図に取りかかります。それは、日照、玄関の入り、通りの向き、給排水の位置etc…周辺の環境により適切な部屋の配置が異なるためです。先に間取りを考えても、土地の条件でガラッと変わってしまうので、建築地が決まらない状態でこの間取りに決めた!とまでいくのは難しいのです。
とはいえ、そうすると建築地が決まるまで話が進まなくなってしまいます。まずは練習を兼ねて自分が住みたいエリアを想定して、仮想の土地条件で進めてみましょう。もちろん建築地がすでに決まっている場合は、そこに建てる想定で検討します。
住みたい環境がしっかりと纏まっていれば、土地の大きさや環境が似た土地を探すようになるので、プランニングの修正も意外と少なかったりします。仮想ではありますが、住みたい環境のイメージはしっかり決めておきましょう。
間取りを考えるのも、初めはうまくいかないかもしれません。ですが、いうなれば部屋を組み合わせるパズルのようなものなので、設計ルールの理解が深まれば、だんだんとイメージが膨らんで楽しめるようになります。気負わずにはじめは不格好でもいいので、繰り返し間取りを書いてみましょう。
プランニングに必要なもの一覧
必要なものといってもほぼありません。方眼紙とペンがあれば最低限取り組めますが、形から入りたい人(僕もです)のために、プラスαあると便利な道具を紹介します。
基本の道具は間違いのないようちゃんと選びましょう。
プランニングのやり方は人によって様々だったりするのですが、僕はフリーにアイデアをまとめられるように、シンプルな方眼紙にシャーペンで手書きしています。
方眼紙にも種類があります。選び方のポイント!
僕がアイデアを描くときはこんな感じですね。
普通はこういう感じのマス目になっている建築用方眼紙を使用します。記載のある9.1mmというのは、尺モジュールの1P(1マス)910mmを1/100した図面ということです。
メーターモジュールであれば10mm□サイズの方眼紙を買ってください。要するに1/100の方が家具などを直感的に描けるようになるからです。
マス目の周りに3本線がシャッシャと入ってますが、これが壁の厚みです。これは好みなんですが、僕は壁の厚みは適当に太く描けば良いと思っているので、普通の方眼紙でも良いです。
この方眼紙のメリットは、半透明であることだと思います。修正をする場合は、消しゴムで消してしまうと微妙なディティールが思い出せなかったりするので、不透明の紙では前のプランを左右に並べて見比べながら描くのですが、スター方眼紙は前のプランを重ねて透かして描けるので楽できます。
ただ、スター方眼紙はA3サイズなので、持ち歩くには少々不便ですね。
おすすめの方眼紙はこれです。
僕が使っている建築用方眼紙は『中村印刷所 水平開きノート 設計ノート A4判 4.55mm方眼』です。
この方眼紙は4.55mm間隔で、グレーの実線が引いてあるシンプルなA4サイズのノートです。
4.55mmを2つで9.10mmなので、それで尺モジュールの1Pになります。持ち歩きにはとても便利なのですが、正直この方眼紙は不透明の紙質ですし、A4の建築用方眼紙は他にもたくさんあります。
ですが、他と比類できない特別な機能がこのノートにはあります。
前の画像で広げた紙が横にありますが、このノートはなんと!全てのページがこのようにめくれるようになっており、それを広げるとA3サイズになります。
つまりこのノートは、A4とA3の2サイズどちらでも使用できるということです。ラフなプランニングではA4ノートとして持ち歩き、どこでもアイデアを書き留められ、詳細図は広げてA3サイズの方眼紙として使用できるので汎用性が高いです。
ちなみに、35坪くらいの平屋でもA4サイズに収まるので、A3に描くには、間取りだけではページの無駄になってしまします。
ペンはお好みですが、使いやすいものを選びましょう。
プランニングをすると、描き直しや線画の色の濃さの描き分けがあるため、必ずシャープペンを使用します。その中でも0.3mm芯の製図用シャープペンが望ましいのですが、僕は筆圧が強く細い芯では折ってしまうのと、壁を同じペンで塗りつぶすため太い芯が好みなので、0.5mmの芯で先がスリムな普通のシャープペンを使っています。
おすすめのペンはこれです。
シャーペンのおすすめは『トンボ鉛筆社製 MONO graph シャープペン』です。大きい文具屋なら大体取り扱っていると思います。
ペン先が製図用と同じ構造で先が細く、振っても芯が出るし、回して出すタイプの長い消しゴムが付いているので、出先でもこのペン1本でプランをノートに描けます。
しかも全然安いので、方眼紙をECサイトで買うなら、このシャープペンも併せて買って損はないです。ちなみにペン選びは、描き心地や持ち運びの利便性の問題なので、お手持ちのペンでも全然問題ないです。
なくてもいいけどあると便利な道具。
間取りを描くだけなら、上記の2点あれば良いですが、さらにこだわる人のため、いくつか道具を紹介します。
家具の寸法を検索する必要を省ける、テンプレートという定規。
テンプレートってご存知でしょうか。PCやスマホを扱っているとよく耳にしますが、『型』という意味が込められています。
設計でいうテンプレートとは、家具や建具の形状と大きさを設計用紙に描き移せる定規です。
おすすめのテンプレートはこれです。
テンプレートはたくさん種類がありますが、とりあえず室内用のものがあればいいです。『ステッドラー テンプレート 室内レイアウト 定規 976 07』がおすすめです。
1つ買えば今後買い直す必要がないので、気が向いたら買っておきましょう。
持っていると建築初心者は何かと便利な製図板は、簡易なものでも良い。
製図板とは、紙に線を真っ直ぐ引くための紙を載せる板です。価格帯はピンからキリまでありますが、前述の通り真っ直ぐ線を引くだけなので、安いやつでも十分です。
おすすめの製図板はこれです。
僕が使っているのは、中身がちょっと年季入ってますがこんな感じです。
左と下にA3サイズの方眼紙を挟むクリップを備えており、X方向に並行に走る定規があるため、基準線と水平に真っ直ぐの線を引けます。Y方向も工夫すれば同様に垂直に引けます。
基準線に対し、座標を求めて水平、垂直に線を引くのは、そのままCADの機能ですね。使い慣れればCADを覚えなくても詳細図まで製図できます。家具の設計をしたい人などにもおすすめです。
僕は家具の設計をこの製図板で行なっています。まあ、CADを使えば早いのですが、直感的に使えるので重宝しています。特に、セルフビルド初学者はただでさえ覚えることが多いので、製図板があればCADの操作を覚える前に、設計手順を覚えられます。
今回のポイントは…。
- 土地条件が決まらない状態では、間取りの決定ができない。
- そうすると建築地が決まるまで話が進まないので、仮想の土地条件でプランニングしてみる。
- 住みたい環境のイメージはしっかりと固めておくと良い。
- 道具はモジュールや用途により種類があるので、把握して購入する。
今回は以上です。次回はゾーニングを実際に行ってみます。