木造軸組工法がセルフビルドに向いている理由

コラム
ぺんぎん
ぺんぎん

まずはなんといっても工法です。これだけは先に決めておかないと勉強する内容も全然違いますし、工法を理解しておけば、家を見るときの視点も変わります。工法によってそれぞれメリットデメリットがあるためそれは別の記事で紹介します。

筆者
筆者

住宅の工法で代表的なものは5種類あります。木造軸組工法・2X4(ツーバイフォー)工法・ログハウス・RC(鉄筋コンクリート)造・鉄骨造です。この中で僕は木造軸組構法をお勧めします。理由は後述しますがそれぞれざっくり特徴を述べます。

代表的な工法の特徴

木造軸組工法

日本の住宅で最も一般的な工法で、主に柱と横架材を用いた木の骨組みで構成される。

2X4(ツーバイフォー)工法

北米で主流の工法で、2インチ×4インチの製材で柱を組み、合板等などのパネルで壁を作り箱型に組み上げ構成される。

ログハウス

ログハウスは多様な種類があるが、一般的に丸太を積み重ねた建物を指す。

RC(鉄筋コンクリート)造

鉄筋で骨組みを作ったうえで型枠と呼ばれる面材で周りを囲い、コンクリートを流し込んでいく工法。形状の自由度が高いため特に建築家が好む。 鉄骨造 文字通り構造材に鉄骨を用いる工法。


まず、RC(鉄筋コンクリート)造・鉄骨造は重機が必要になりセルフビルドに向かないため検討から外れます。残る木造軸組工法・2X4(ツーバイフォー)工法・ログハウスの3点から選ぶわけですが、セルフビルドにおいて僕は木造軸組工法を推します。優れた点がいくつかありますので紹介します。

木造軸組工法のメリット

ポピュラーな工法なので、参考書籍が非常に多く勉強しやすい。

日本の風土に合わせて発展してきたため古くから情報が伝わっています。2X4工法やログハウスは近年海外から伝わってきた工法のため、雑誌などで触りよくDIYで簡単に作れるような紹介が多いですが、それらは木造軸組工法と比べ、専門書が圧倒的と言っていいほど少ないです。素人がいちから勉強するために専門書は絶対に欠かせませんので、情報が多いに越した事はありません。

着工から屋根が架かるまでが早いため、天候に関係なく作業できる。

2X4工法とログハウスのどちらも、壁を先に作って組み上げる性質のため屋根が掛かるまで時間がかかります。北米など雨の少ない地域はそれでも問題ありませんが、日本で建築するのであれば雨が降るたび、屋内が濡れないよう養生しないといけません。その反面、木造軸組工法は、構造材をまさに“いの一番”に組み上げます。

わに
わに

プロの現場では、一番下の構造材である土台を敷いてから上棟(家の天辺の棟木をかけること)までほぼ1日で完了します。

屋根さえ架けてしまえば、雨に濡れる心配もないため自分のペースで作業できます。天候が変わりやすい時期は、養生をしたり剥がしたりで大きな手詰まりになりかねないため、屋根がある安心は大きいといえます。

一人で作業がしやすい

前述の通り、2X4工法とログハウスは壁を先に作り組み上げます。そのため2X4では作った壁を立て起こす必要があり、結構な重量になります。ログハウスも同様に丸太を加工し組み上げるため、低い高さのうちは良いのですが、高くなるにつれて人力で積み上げることが難しくなります。木造軸組工法は先に骨組みを作り、そこに壁をペタペタ張っていくような造り方なので、上棟後の工程ではほぼ一人の作業で完結できます。(浴槽や大きなサッシを入れる時など一人で持てないものもありますが…。)

たこ
たこ

実際のプロの現場でも大工さんは一人だったりします。

材料が入手しやすい

ホームセンターや町の材木店で取り扱っている木材のうち、ほとんどが尺貫法と呼ばれるモジュール寸法で用意されています。木造軸組工法ではこの“尺モジュール”で設計するため、日本で一番多い流通材で建てられるメリットはとても多いです。2X4材も置いてありますが輸入材のため価格が安定しなかったり、品質がバラつくことがあります。尺の木材を寸法どり出来なくもないですが、端材がたくさん出るので割高になります。尺や間などの単位は馴染みが薄いかもしれませんが、要するに昔の日本人が人体寸法に準えた数値になります。2X4材もインチやフィートの単位を使いますが、これも欧米の人の人体寸法に準えた単位ですが、欧米人基準なのでちょっとビッグサイズですね。

ふぐ
ふぐ

ちなみにどのモジュールを採用しても設計図面はミリ表記で記載しますので安心してください。

今回のポイント

セルフビルドは木造軸組工法を採用するべき。

筆者
筆者

というわけで、僕は木造軸組工法をオススメします。自分も木造軸組工法で家を建てるつもりなので、ちょっと贔屓目ですがメリットは確かです。

木造軸組工法は大工さんがノミとトンカチで木を刻みホゾ加工(軸組の接合部の加工)をするイメージがあるため、いかにも職人的な技量が必要だと思いがちですが、実際は電気工具を使用するため寸法さえ間違わなければ誰でも精度良く加工出来ると思います。

また、現在はプレカットというマシンを使用した工場での加工が主流のため、セルフビルドでも依頼すれば現場で軸組を建てるだけで済み、かなりの工期短縮が見込めます。当然ミリ単位の精度で加工されるため組み立ても容易になります。

実際、セルフビルド関連の書籍を出されている方は木造軸組工法でしっかりとした家を建てて、成功させていますので安心してください。

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