セルフビルドとは?お金に縛られない暮らしをするための選択

コラム

–––セルフビルドとは、自分の住む家を自らの手で建築すること。

セルフビルドの対象として、『小屋』と『家』どちらを建てる場合もセルフビルドという言葉が使われています。ただし、小屋を建てる場合はDIY的な感覚で建てられますが、家の場合は法的な制約や付帯設備の工事があるため、施工には注意が必要です。このブログでは、家の建築がメインコンテンツとなります。

セルフビルドの目的

家は、人が作り上げるものの中では、かなり大きいものだといえます。

平屋でも家の高さは4mくらいあります。2階建なら6mくらいです。仮にその平屋が30坪くらいだとしたら、東西に13〜15m、南北にも8〜10mくらいあるでしょうか。熟練の職人が家を建てるならまだしも、家を建てた経験もない素人が、そんな大きなものを完成させられるでしょうか。

また、家はそこに住まう人を守るものです。完成させることが出来ても、隙間風が吹いたり、ビー玉が転がるほど傾いていたりしては、安心して住めるという前提に基づく、家を手に入れる本来の目的を叶えられないことになります。そうなれば本末転倒ですし、セルフビルドで家を手にする意味がありません。なので、セルフビルドをするにあたってはそれなりの覚悟と努力を払わないとなりません。

そうなると、新築の家を手に入れたいと思った時に、セルフビルドを選択してはならないかというとそうではありません。セルフビルドにも、そういったリスクやデメリットもありますが、それらを乗り越えた時のメリットはとても大きいです。

自分で家作りを楽しみつつ、完成させられればきっと大きな達成感に浸ることができるでしょうし、人に建ててもらった家と比べて、どれくらい強い愛着が湧くかは想像に難くありません。完成までは苦労もするかもしれませんが、その経験も含めチャレンジする価値は充分にあると思います。

ぺんぎん
ぺんぎん

少し現実的な話になりますが、享受できるメリットの筆頭としてお金の面が挙げられます。これについてはしっかり納得していただきたいので事項で具体的に説明します。

セルフビルドは『お得』なのか

そもそもセルフビルドで家を建てた場合、ハウスメーカで新築した場合と比べて費用的なメリットはあるのでしょうか。結論から先に述べますと、費用の差は絶大です。もちろんセルフビルドの方が少ない費用で収まります。

仮に、ハウスメーカ(工務店)で家を新築した場合の建築費を2500万円としましょう。これは、35坪くらいの2階建で、工務店で新築戸建住宅を購入した場合の大体の相場です。*この費用は純粋に“建築費”なので、いわゆる諸経費(税や住宅ローン諸費用、土地取得費など)は含みません。

工務店に新築を依頼した場合、支払う建築費の内訳は、①人件費、②材料費、③宣伝広告費や工務店の粗利で、ざっくり3等分できます。仮に、法的に施工できる範囲を全てセルフビルドした場合、必要になるコストは材料費がほぼ全てで、人件費と工務店の取り分が必要無い分、掛かる費用も概ね1/3になります。

工務店に依頼した場合の建築費が2500万円ならセルフビルドでは800万ちょっとで納まるイメージですから、その費用対効果は絶大です。

その反面、人工(作業する人)の確保が難しいセルフビルドでは、多大な工数を要する住宅の建築において、時間の工面が課題となります。

こざかな
こざかな

独力でやるということは、自分が作業しなければ延々と完成しないという意味に繋がります。途中で飽きて辞めたりしたら、それはもう残念でなりません。

また、一般的に工務店が家を建てる場合は、工程ごと各専門業者に作業を割り振りますが、セルフビルドは自分自身で包括的に計画を立てる必要があり、その分インプットするべき知識量も多くなります。

設計、施工手順、建築に関わる法律、資金の調達方法etc…セルフビルドが現実可能だと気付いたとしても、学ぶ範囲が広すぎてかつ、分野ごとに性質も大きく異なるため、初めは一体どこから手をつけたら良いか分からないと思います。

ですが、その難局を乗り越えれば、本来家を手に入れるために必要な費用の2/3が浮く訳ですから、見方を変えれば、セルフビルドをするために学んだ一連の経験がそのままお金を稼ぐことと同義になると言えます。2500万円の家を例に取ると、本来工務店に支払うはずだった建築費のうち、1700万円近くもの金額をセルフビルドによって稼いだとも考えられるんです。

セルフビルドを実現させるための課題はたくさんあるので、モチベーション維持が重要です。挫けそうになったら1700万円の札束をイメージしましょう。

このお金がセルフビルドでもらえます…。
かれい
かれい

どれくらいの収入があるかは人それぞれだとは思いますが、普通の会社員の場合、1700万円を稼ぐのは簡単ではないと思います。現金で1700万円ですから、年収の手取りが400万円だとしても、4年のあいだ1円も使わず、丸々収入を貯金箱に入れても足りません。 ちなみに、額面年収520万円で手取り年収が400万円くらいだそうです…。

ひらめ
ひらめ

仕事を死に物狂いでやって大金を稼ぐのも選択肢ですが、セルフビルドで家作りを楽しみながらも、将来掛かるはずのお金を浮かせられるとしたら…。お金目当てでセルフビルドをやるのも不純かも知れませんが、考えるとちょっとモチベーションが上がりませんか?

セルフビルドを検討する前に

セルフビルドを行うにあたって、必要な知識は一体どのようなものがあるでしょうか。もしこの記事を読んでいるあなたが、セルフビルドに興味を持って間も無いとしたら、どこから勉強したらよいかが明確でないかもしれません。

セルフビルドに興味を持ったところで、自分には難しくて無理だと思ってしまってはせっかくの機会を逃してしまいます。多くはないですが、セルフビルドを行った先人たちの書籍もありますので、まずはそれらに目を通してセルフビルドを行うことでどんな体験が得られるかを知ってほしいです。

*僕がセルフビルドに興味を持ったきっかけの素晴らしい本がいくつかありますので、別の記事で紹介したいと思います。

ちゃんと知識を蓄えたうえでセルフビルドに臨めば、家の施工自体は手順が確立しており明確なので、そんなに難しくないはずです。

筆者
筆者

元建築士で現家具職人の友人曰く…。

家具は精度が悪いとグラつくため、精度を求めるぶん家を作るより難しいそうです。逆に要所だけ押さえれば、ちゃんとした家でも作るのは案外簡単だと言っていました。

セルフビルド完了までのロードマップ

セルフビルドを行ううえでのざっくりとした手順を考えました。セルフビルドを始めようと思ったときに、いきなり間取りを考えたりしがちですが、モジュールや基本的なルールを理解していないと住み良い家は設計できません。まずはセルフビルドってどんなもの?というところから始まり基本をおさえていきましょう。

  1. セルフビルドという選択肢に気付く。 ←イマココ!
  2. セルフビルドに興味を持つ。先人たちの体験記を読むと良い。
  3. 習得する知識の範囲を理解する。セルフビルドの難易度を理解しておく。
  4. どこまでを自分で施工するか検討する。範囲を明確にしておく。
  5. 知識のインプット。ここは投じた時間に応じて自分で出来ることが増えますのでセルフビルドを考えるうえでのメインです。頑張って下さい。
  6. 自分が住みたい家を設計する。建築地と合わせて計画を立てます。
  7. 必要な材料、業者を割り出し、建築費をできる限り細かく積算する。*この辺りから付き合ってくれるだろう業者さんに見積もりを取ったりする必要が出てきますので、ぼちぼち腹を決めてください。
  8. 資金計画。お金の計画をクリアできないと実行できません。*一般的には現金が多いですが、分離発注でもローンが組めると情報を聞いたことがあります。
  9. 施工管理をしてくれる設計士さんを探す。図面の理解はこれから建てる家の理解に繋がるので、設計士さんには作図まではお願いしないで、なるべく施工管理と申請をお願いするだけに留めましょう。
  10. 図面ができて、材料が用意できて、業者(パートナー)が決まれば具体的なスケジュールを決めます。施工手順の詳細を理解出来ていればおおよその日数を割り出せると思います。
  11. セルフビルドスタート!
  12. 憧れの我が家へ…。

セルフビルドを楽しんでチャレンジしてみましょう!!

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